寒天=ところてん

「寒天」と「ところてん」のちがいを知っていますか?どちらも紅藻類(こうそうるい)という種類の海藻が原料ですが、海藻をぐつぐつと煮込み冷やし固めたゼリー状のものが「ところてん」、ところてんから水分を取り除いて乾燥させたものが「寒天」です。

寒天=とろころてん

寒天の原料は海藻です

寒天の原料には紅藻類である「テングサ」と「オゴノリ」が使われています。「テングサ」は、テングサ科というグループに分類されるマクサやオバクサをはじめとした海藻の総称です。「オゴノリ」にはオゴノリやオオオゴノリなどの海藻が含まれます。かんてんぱぱでは、さまざまな種類の海藻を組み合わせることで、幅広い用途に向けた寒天を作っています。

寒天の主な原料海藻の分類
マクサ・オゴノリ

ダイエットの強い味方

寒天ゼリーはノンカロリーで、たくさん食べても太る心配がありません。寒天は100倍以上の水を抱えるためボリューム感があり、さらに胃の中で水分を吸収するので満腹感を得られます。つらい空腹感もノンカロリーの寒天を上手に使ってコントロールすれば、無理なく楽しくダイエットが続けられます。日々のお食事やデザートに上手に取り入れていきましょう。

ダイエットの強い味方

歴史ある「医薬品」

寒天は、天然由来の医薬品である生薬として大正9年から「日本薬局方(第四改正)」に収載されています。日本薬局方のカンテンの項目には「…粘滑薬(ねんかつやく)又は、包摂薬(ほうせつやく)として、慢性便秘に水に溶かすか粉末として服用する…」と記載されています。寒天はおなかの調子を整える医薬品として100年以上前から先人たちに利用されてきたのです。

医薬品の製造許可を取得している藤沢工場
日本薬局方
日本薬局方
医薬品の製造許可を取得している藤沢工場

寒天の詳しい構造

寒天がゼリーになる理由

走査(そうさ)型電子顕微鏡を使って寒天ゼリーを10,000倍に拡大して観察してみると、写真のように白く細い繊維(せんい)状のものが絡まりあって、ネットワークを形成しているのがわかります。この白い繊維状ものが寒天成分で、繊維に囲まれた黒い隙間に水が入っています。私たちが食べている寒天ゼリーは、寒天成分がたくさんの水を抱え込んだ状態なのです。

寒天の構造イメージ
寒天の構造イメージ
寒天の電子顕微鏡写真

寒天の化学構造

寒天の成分は長い直鎖状(ちょくさじょう)の分子構造をもった高分子多糖類(こうぶんしたとうるい)です。粉末や乾物の寒天の中では、長い鎖状の寒天分子がぎゅっと強く絡まりあっている状態と考えられます。

寒天の化学構造

寒天の分子をさらに詳しく調べると、その構造はD-ガラクトースとアンヒドロ-L-ガラクトースという2種類の糖で構成されています。寒天はこの2種類の糖が交互に結合して、それを繰り返すという構造を持っており、おもにゼリーの硬さをつくる成分のアガロースと、固まらない成分のアガロペクチンに分類されます。アガロペクチンはアガロースと似たような構造をしていますが、部分的に硫酸基(りゅうさんき)、メトキシル基、ピルビン酸基を含んでいます。これら成分のバランスによってさまざまな物性をもった寒天が開発されています。

アガロース

Agaroseアガロース
Agarose/アガロース

アガロペクチン

Sulfate硫酸基
Sulfate/硫酸基
Methoxyleメトキシル基
Methoxyle/メトキシル基
Pyruvateピルビン酸基
Pyruvate/ピルビン酸基

ゼリー化のメカニズム

寒天がどのような仕組みでゼリーになるかを考えてみましょう。

寒天ゼリーを作る際には、まず寒天をお湯で煮溶かす手順が不可欠です。これは水と熱を使って、ぎゅっと絡まりあった寒天の分子をほどく必要があるためです。寒天の粉末を水に加えて熱をかけていくと、寒天の分子が少しずつほどけて、ランダムコイルと呼ばれるバラバラの状態になります。ここではまだ寒天は液体の状態です。次に、その溶液を冷やしていくと、ほどけた寒天の分子がペアになって近づき二重らせん構造をとります。さらに冷やし続けると二重らせん構造が複雑に絡まり合い水を抱え込みながらネットワーク構造をつくります。この状態が私たちが食べている寒天ゼリーの状態です。

一度冷えて固まったゼリーを加熱していくと再び液体に変化します。この時、寒天の分子は再びバラバラの状態に戻っています。このように、寒天は温度の変化によってゼリーの状態と液体の状態を行ったり来たりすることができます。

寒天と温度について

寒天ゼリーが溶ける温度を「融点(ゆうてん)」、液体状の寒天が固まる温度を「凝固点(ぎょうこてん)」と言います。一般的な寒天の融点はおよそ90℃ですが、種類によっては100℃でも溶けない寒天もあります。夏の暑い日でも寒天ゼリーの形が崩れないのは高い融点を持つためです。また、寒天の凝固点はおよそ40℃なので、煮溶かした寒天を冷蔵庫に入れなくても室温で固めることが出来ます。この性質を活かして食品以外の用途にも寒天が使われています。

寒天と温度について

ゼリー強度について

寒天の硬さを示すゼリー強度は「日寒水式(にっかんすいしき)」と呼ばれる方法が広く採用されています。この方法は、寒天1.5%溶液を煮溶かし20℃で15時間静置し、おもりを使って凝固したゼリーの硬さを測定します。「寒天ゼリーの表面1㎠あたりが20秒間耐えうる最大荷重(g)」をゼリー強度としています。

かんてんぱぱの寒天はゼリー強度30〜2,000g/㎠までの幅広いラインナップがあります。

ゼリー強度測定器
ゼリー強度

 

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